『火花』を読みました

 

火花 (文春文庫)

火花 (文春文庫)

 

 又吉さんが好きなので、前々から気になっていた『火花』を読みました。

 

又吉さんが好きになったきっかけは、キングちゃんという番組の「又吉プロデュース王」という企画です。かなりの無茶振りを全力でやりきっていたので、すごくかっこいいなと思いました。

又吉プロデュース王について、ネットニュースの記事がありましたので、知らない方は読んでみると雰囲気がわかると思います。

https://www.excite.co.jp/news/article/E1477237193660/

 

『火花』の感想なのですが、お笑いに対する熱意とか、今まで一緒にがんばってきた先輩・後輩・同期芸人とかの思い出とか、もしくは、自分の芸に対する複雑な感情とかが感じ取れて、よかったですね。

 

おそらく実体験をもとにしたと思われるディティールもよかったです。神谷さんの優しい声に僕は弱い、とか。

 

盛り上がってくるのは、後半になるかなと思います。神谷とのケンカとか、最後の漫才のシーンとかですかね。

 

ただ、他の小説と比べると、話の構成や文章力には課題を感じました。

(上から目線ですいません)

 

産経新聞のインタビューにて、山田詠美さんが欠点も多々あると言っているのは、そういうことなんでしょうね。

「又吉くんの方は、どうしても書かざるを得ない切実なものが迫ってくる感じで、欠点も多々あるんですけど、何か強いものを感じて。それと、主人公とカリスマのような先輩との、まさに火花が散るような関係がよく書けていたということでした。1行1行にとてもコストがかかっている感じがした、という意見もありました」

引用元:https://www.sankei.com/life/news/150716/lif1507160058-n2.html

 

「わざとやっているのであれば、そういうのもありなのかも」と思いましたが、話の展開に唐突感があるケースがありましたし、もう少しきれいに語れそうな部分があるように感じました。